中華DDSの実験 FRMS互換ボードの製作
Frequency Response Measuring System というほどのものではないので
とりあえずFrequency Response Display Unit (FRDU)としました
動作は
1. PCと接続せずにスタンドアローンで動作するようにする。
2. 周波数範囲は中華DDSを使用するので最大40MHz(性能低下を許容すれば55MHz)
周波数の下限はカップリングコンデンサを10uにしているので1kHzくらいまで可能。
3. 検出部はFRMSと同じAD8307を使用する。
4. DDSを停止してAD8307のみを使用して簡易パワー計(レベルメーター)として使用する
としました
将来の拡張としてUSBポートがついているので仮想COMモードでPCと接続可能です。
PCのソフトは得意でなくすぐには用意できないのでとりあえず通信フォーマットをFRMSに
あわせているのでFRMSのPCソフトを使用すればPC画面に波形表示が可能です。
(FRMS互換モードではPCと通信中はPCからの設定が優先するので本体での設定はできません)
内部のCPUはグラフィック処理がはいるので少し早いCPUと思い秋月で簡単に入手できる
SH2-7125(50MHz)を採用しました
PCとの通信用につけているUSBでプログラムの書き換えができるので特別な書き込み器が必要なく
32bit 50MHzで内部の処理はそれなりに早いです。
EEPROMを内蔵していないので設定値格納用に外付けでI2C接続のEEPROMをつけています
ブロック図です。
入出力コネクターはすべて本体の上部に集めています。
まず周波数特性測定
手持ちの14.318MHzの水晶を測定しています。
周波数軸が最初8divで作っていましたが読み取りにくいので現在は10divになっています。
14.318MHz水晶の共振周波数グラフ
それなりに測定できているようです。
主な用途は水晶やアンテナ、その他共振回路の共振周波数確認や調整に使用することが多いと思うので 共振周波数をグラフから読み取れるようにしました
共振周波数読み取り
Maxはピークの最大点の周波数、Minはディップの最少点の周波数、dfはピークとディップの周波数差を示します。
グラフ表示用データから読み取るので分解能はスパンの1/250です。
これだけではもったいないのでレベルメーターにも使えるようにしています
簡易型なので値は目安程度で正確ではありませんがAD8307を使用しているので
最大500MHzまで測定できます。
デジタル表示だけでなく下部にバーグラフもつけてみました
レベルメーターモードではDDSは出力OFFにしています。
レベルメーターモード
ついでに簡易発振器モードです
下半分はついでに入力レベルも表示しています。
出力アッテネーターがないので出力レベルは変えられません
簡易発振器モード
表示周波数と発振周波数にオフセットをつけられるようにしたので
これで簡易VFOとしての使用できます。
画面下部のレベルメーターをシグナルレベルメーターとして使うと
簡易受信機や選択レベル計としてつかえます。
DDSの基準発振器の周波数を設定できるようにしました
基準発振器の周波数設定
中華DDSは基準発振器に通常の発振器を使っていますので125MHzといっても若干のずれがあります。
そこで基準発振器の周波数を設定できるようにすることでいくらかでも周波数精度を改善します。
使用方法は、
このときDDSの発振周波数を20MHzに設定していますので出力にカウンターをつないで
出力周波数が20MHzちょうどになるように基準周波数の数値を調整します。
基準周波数が任意に設定できるのでたとえば自作の100MHz発振器等を基準発振器として使用できます。
180MHzも設定できるので逓倍機能が使えませんがAD9851に代えることも可能です。
(逓倍機能を使わなければAD9850とAD9851の通信データ形式は同じです)
ケースはタカチのSW-100(プラスチックケース)に入れる予定の大きさで作ったのですが
YM-100(アルミケース)にも入りそうです。
低い周波数を測定する場合
本器で低い周波数を測定した場合、画面にノイズが目立ってきます。
これはログアンプの応答速度が速すぎるために信号がそのまま出力に出てくるためです。
周波数1MHzくらいからノイズが見え始め周波数が下がるとともにノイズがふえていきます。
ノイズっぽい波形
これを防ぐにはログアンプの信号の応答を遅くするために信号ラインにコンデンサを入れます。
コンデンサの容量は0.1〜1uFくらいが良いと思います。
コンデンサ挿入箇所
今回は0.1uFを入れました
コンデンサを入れると下のようにノイズが目立たなくなります。
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